雪野のにっき

雪野スオミです。日々の何か面白いものをお届けできればと思ってます。

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大阪歴史博物館&特別企画展『異界彷徨ー怪異・祈り・生と死ー』へ

こんにちは、雪野です。

今回やって来たのは大阪市にある大阪歴史博物館

NHK大坂城の近くにある博物館で、古代から現代までの大阪の歴史を知ることができる場所です。

館内からは大坂城を眺めることもできます!

角度的にガラスが映り込みますが……。

 

館内は主に4つの時代に分けられた大阪の街が模型や資料で大迫力かつわかりやすく展示されています。

 

1つ目が難波宮の時代。

飛鳥、奈良時代、現在の大阪市中央区に存在していた難波宮に関係した展示です。原寸大に復元されている大極殿や官人の模型をはじめ、出土品などが展示されています。

また、実際の難波宮史跡公園も眺めることができます。

難波宮孝徳天皇の頃のものと聖武天皇の頃のものがあり、この模型は聖武天皇の頃のものです。たびたび遷都をしたという聖武天皇、日本史の授業で大変だったという人も多いのでは?

 

続いてのフロアは大坂本願寺の時代と天下の台所時代。

ようするに中世から近世にかけてということですね。この時代は浄土真宗が京都からやって来て、石山本願寺という巨大な仏教勢力が誕生した頃です。あの織田信長とも戦ったことは有名ですね。

その後、秀吉が城を築いたりして発展しましたが、なんと言っても大阪の発展は江戸時代でしょう! 水運や物流の中心地である大阪は市場や蔵屋敷が建ち並び、天下の台所と呼ばれたのです。

水の都とも呼ばれた大阪。今もたくさんの橋が残っていることは、大阪市内に行くかあの辺りの駅名を見れば分かるかと思います。

祭りや娯楽が栄えたのもこの頃。江戸時代には元禄文化なんて呼ばれ、人形浄瑠璃や歌舞伎、落語などが町人の間で楽しまれました。

大阪市には今でも歌舞伎や落語を見ることができる場所があるのでぜひ!

 

そして最後は大大阪の時代。大正、昭和、平成と急速に発展した力強い大阪の町並み、人々の暮らしを知ることができます。

たくさんの百貨店や工場、財閥の会社と、現代にも繋がる大阪の歴史を感じることができます。戦時中の頃や大阪万博の頃の資料などは実際に見たことがある人もいるのではないでしょうか。

 

このように大阪の歴史を追体験することができる大阪歴史博物館、いかがでしょうか。展示エリア以外にも、発掘現場の雰囲気を体験できるエリアなどもあり、学生さんや外国からの観光の方も多かった印象です。

大阪に住んでいる人が自分の故郷について知るのもよし、大阪という大都市がどのように現代まで歩んできたのかを知るのもよし、どんな人も楽しめる博物館です。

ちなみにパズルなど様々なワークスペースがありましたが、校外学習っぽい学生さんたちが仲良く楽しんでいました。

 

さて、続いては特別企画展です。

タイトルは、

『異界彷徨ー怪異・祈り・生と死ー』!

古来より人は、天変地異や生と死、不思議なことなどを人知を超えた何者かによる仕業と捉らえてきました。この特別企画展ではそういった人々の想像してきたものを「異界」と名付け、資料を展示、紹介しています。

私は昔からこういうのが大好きなので、この企画展が発表されたときから行こうと思っていました! このメインビジュアルの天狗たちは江戸時代に描かれたものでTHE・天狗という見た目ですね。これは修験道という山で修行する人たちのイメージが影響しているとか。

河童は日本によくあったアニミズム八百万の神という考え方から水の神としての伝説、水害事故からの教訓といった様々な要因から生まれたとか。

河童を描いたものも多く残っています。河童は鬼や天狗と並ぶ日本妖怪のスターですからね。いろんな人々が河童を信じてきたのです。

異界のもののお面も多くあります。面はつけることでそのものになりきる、さらにそのものに憑依されるという考え方があり、祭りなどで演じ手に神そのものを憑依させるという意味合いがあったのです。

能などでも面をつけるときにはその面にしっかり向き合って演じる、というのを本職の方から聞いたことがあります。

私も昔文化祭で面をつけたことがありますが、視界や感覚などかなりいつもと違うので神秘的な気分になるのもうなずけますね。

災害も異界のものが起こすと考えられてきました。有名なのは地震ナマズが起こしているというやつですね。この絵では地震ナマズ)、雷(鬼)、火事(火)が談笑しています。災害が起きることによって経済が回るという意味合いも含まれているのだとか。

人形浄瑠璃や能で使われる人形や面も展示されています。

余談ですが、昔NHKで放送されていた『バケルノ小学校』という人形劇にオキク先生というキャラがいまして、それが怒るときの顔が、あの大きな人形に似ているんですね。ええ、トラウマです。

七福神の絵を枕の下にいれて眠ると良い初夢が見られるというのは有名な話。異界というのは悪いものばかりではないのです。

こちらは流し雛。昔はひな人形というのは厄や病を人形に預けて川に流すというものでした。病などを物に移すというのは神社などでよく見る光景ですね。

ちなみに難波宮からはこうした顔の描かれた器が出土しています。これも厄を移した物だとか。

決して幼稚園とかの図画工作ではない。

手形も魔除けです。強い人物の手形は悪いものをびびらせる効果があるとか。

この加藤清正の手形なら、けっこう効果はありそうですね。

このかわいいのは犬張子というもの。犬は多産なので出産祝いや子どもの成長を願って作られたそうです。

これは死後に人が転生する先の世界、地獄、餓鬼、畜生、人、天の五つの世界を描いた輪を持つ鬼の絵です。人が死後、どうなるかを想像し、今どう生きるかを考えるためにも異界は使われたのですね。

ところで六道輪廻というように修羅という世界を含む六つの世界のバージョンが有名ですが、それを省いたり地獄と同一視したりする五趣というバージョンがあることは初めて知りました。

 

さて、特別企画展『異界彷徨ー怪異・祈り・生と死ー』はいかがでしたでしょうか。人々が考え、生み出してきた不思議なものたち。人々はそれを利用し、祈りや魔除けに使ったり生活の安寧を求めたりしてきました。そうすることによって人は正体不明なもの、さらには生と死まで、なんとか理解しようとしてきたのですね。

この企画展は6月26日までですので、もうすぐ終わってしまいます。通常展示の料金でそのまま特別企画展にも入れるので、気になった方はお早めに!

 

 

それでは~。