雪野のにっき

雪野スオミです。日々の何か面白いものをお届けできればと思ってます。

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国立国際美術館「特別展 古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン」へ

こんにちは、雪野です。

今回も観光記事です。今回訪れたのはここ。

木々の向こうにたたずむ施設、それは……

国立国際美術館

そして、今現在開催されているのが、

「特別展 古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン

です!

メキシコにかつて存在した古代文明、マヤ、アステカ、そしてテオティワカン。それらの遺跡などから出土した遺物を展示している特別展で以前、東京や福岡の方でも開催されていました。私がメキシコの古代文明をけっこう好きなのとなかなか見られない物も多いので絶対行きたいと思っていた特別展なので今回、大阪に来てくれて嬉しいです!

もちろん古代メキシコなのでちょっと日本人からするとグロテスクなものも少なくはないです。これはアステカ文明のものでミクトランテクトリ神を表しています。冥界の王ですね。ちなみにこのマスクは生け贄の頭から皮を剥ぎ取って作られたのだとか。生け贄と聞くとどうしても怖いイメージがありますが、古代メキシコには「世界は神々がその身を犠牲にして成り立っている」という考え方があり、人々も他人のためにその身を犠牲にしようという考え方が根付いていたそうです。なんという究極の自己犠牲

これらは手前からジャガー、フクロウ、クモザルの土器。自然のものを神として崇めるのは日本でもよく見られるやつですね。

この露店の店員みたいなのはチコメコアトル神の火鉢です。チコメコアトルというのは豊穣の女神、手に持っているのはこの地域の主食であるトウモロコシです。ちなみにメキシコではトウモロコシといってもそのままじゃなくてトルティーヤとして食べていました。

このメタテとマノという道具を使ってトルティーヤが作られていて、その技術が現代まで受け継がれているんですね。

これは夜空の石版というもので亡くなった兵士や生け贄になった者の魂が天を旅する様子を描いているのだとか。

この目出し帽みたいなのはシペ・トテックという神を表したものでトウモロコシの種子のように自らの皮をはいで食料を与えるという神です。王なんかはこの神のような衣装を身にまとうときもあったとか。材料? もちろん生け贄の……

これは死のディスクと呼ばれているもので、公式サイトにも載っているこの展覧会の目玉の一つ。日没が死、日の出が再生を意味しているという考え方から日没の太陽を表しているんだと考えられています。結構大きいので存在感抜群でした。

この猫背な見ているだけで首と腰が痛そうな石像は火の神で、儀式では頭の上の部分で火を焚いていたとか。ちなみに老神だそう。

羽毛の蛇神の石彫。ケツァルコアトルとかククルカンの名前で有名ですね。

これは嵐の神トラロクの屋根飾り。古代メキシコ系の神では割と有名な方でギョロ目と牙がチャームポイントの神です。

パカル王という王の像ですがこの特徴的な頭はトウモロコシリスペクト。人間はトウモロコシから作られたという考え方があるためだそうで、マヤでは頭や髪をトウモロコシ風にしていたのだとか。

そしてこれがこの展覧会の目玉中の目玉!

赤の女王!決して『鏡の国のアリスに』出てくる方じゃない

さっきのパカル王の妃では無いかとされていて、辰砂で覆われていたことからその呼び名が付けられました。副葬品など専用コーナーで展示されていて、古代マヤのロマンを感じさせます!

この独特なポーズの像はチャクモール像と言い、かつて腹部に捧げ物を置く台座になっていました。けっこうな数があったらしくなんとなく見たことあるようなデザイン。

これはダウンタウンのま……もとい男性像。アステカの理想の男性を表したそうですが、隣で某芸人に似ているという指摘があったのでもうそれにしか見えなくなりました。

これは鷲の戦士像で重要な役割の軍人、もしくは戦死した戦士(洒落ではない)や太陽神を表しているという説があります。もしかしたら空の彼方に踊る影かもしれません。

これはさっきのトラロク神の壺です。チャームポイントはしっかり造形されています。

これはウェウェテオトルという火の神の土器です。火の神であり、家の中でまつられていることが多いため家を守る存在であるといわれています。

ちなみに私は大学時代の研究テーマに彼を使用していたので生ウェウェテオトルを見られて大満足です(この展覧会に行った決め手がこれだったりする)。

図録はカバーが3種類で赤の女王、鷲の戦士像、死のディスクがありましたがせっかく日本初公開ということで赤の女王バージョンを選択。ちなみに中身は一切変わりません。展示品がしっかり家でも見られるのはありがたいです。

他にも展示品をモチーフにした雑貨やメキシコからの輸入グッズ、あのFGOとのコラボグッズも販売されていました。FGO……こんなところにも……。

というわけで「特別展 古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカンでした!

この特別展、なかなか日本では見ることのできない古代メキシコの遺物が大量に展示されるという点でも貴重ですが、いまいち日本では怖いイメージを持たれがちな古代メキシコのイメージをなんとか払拭しようという感じが好印象でした。生け贄や恐ろしい神々といった点がクローズアップされがちな古代メキシコですが、今回の特別展では優れた技術の産物や人々が何に畏敬の念を抱いていたか、当時の営み、そもそもなぜ生け贄という文化があったかなどについても解説され、これまでの「なんだか恐い文化」から「違う点もあれば同じ点もある遠く離れた場所の一つの文明」といった印象へと変わるような、そんな狙いもあったのかなと思います。単に自分たちの感覚だけで恐ろしいと思わず、なぜそのような風習が生まれたのだろうと考えてみるのも大事ですね。

それでは~。