こんにちは、雪野です。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
ついに公開!
というわけで見てきましたので感想を!!
もちろんネタバレ注意です!
さて!
簡単に言うと人間の悪意てんこ盛りのホラー作でした!
横溝正史の『犬神家の一族』を彷彿とさせる、田舎の財閥で起きた跡目争いと不可思議な殺人事件が主な内容です。昭和三十年代という時代に加えて財閥が支配する田舎の村という閉鎖的な空間なので倫理観なんか無いようなものです。因習を扱う作品が大好きな人は大好物でしょうね(私のような)。映画の区分的にはPG12という子どもが見るときはちょい気をつけてね区分なのですが、マジで子ども向けのいわゆる『ゲゲゲの鬼太郎』ではありません。次々と人がタヒんでいきます。しかもしっかりグロいです。あと描写はされませんが性的にアウトな部分もあります。
……と、これだけだと物好きが見る因習ホラーみたいですが、根底にあるのは愛、大切なものを守るために戦うということです。鬼太郎の父が村の全てに抗ってでも自分の大切なものを守ろうとした姿と、それを見て戦うことを決めた青年・水木。2人が巨大な悪に命をかけて立ち向かう姿には感動です! 時代的に戦争や高度経済成長を経て、強いものや上のものには従わなければならない、大義のために散るなら本望という考え方が蔓延している中だからこそ! 人が本当に大切にしなければならないのは何かと改めて考えさえられました。
そしてここからは水木作品、鬼太郎ファン目線で。
昭和三十年代という雰囲気、特に序盤の東京の場面でとても出ていました! まるで古い映画や漫画を見ているような気分に! そして要所要所に挟まる戦争描写、水木作品らしさがとても出ていました。水木しげるさんが亡くなってから初の長編映画なので期待と不安が半分半分でしたが、制作スタッフの理解度が素晴らしいです。
そして私の考察としてはこの作品は間違いなく6期の世界ですね。一応墓場的な史実をなぞりそうですが、間違いなくこの世界での水木と鬼太郎父子との関係は良いものでしょう。水木は記憶をなくしているとはいえ、墓石にぶつけるようなことはしなさそうですし父の方は水木を覚えているのではないでしょうか。あと6期の親父さんならこういう悲惨な過去を経験しているの解釈一致。
そして6期の親父さんは本編で生前の姿を初披露していましたが、やっぱり格好良いですね。息子の技の数々は父親譲りだったと。そして霊毛チャンチャンコの誕生! 親父が霊毛の紐を持っていたのでそういえばチャンチャンコはどうやって鬼太郎が持つことになるんだろうと思いましたが、それもしっかり描いてくれるとは!
水木さんもかっこよかった! 作中ではほぼ視聴者と同じ目線で秘密だらけの村で生き抜きましたからね! 墓場鬼太郎では残念な役でしたが、6期世界では鬼太郎父子との絆があったという描かれ方でしたし、本質的には良い男なんでしょうね!
鬼太郎の母も生前の元気な姿が初公開! 写真とはいえ嬉しいです。猫姉さんにそっくりなのは……趣味が似ているんでしょう、父子で。
ねずみ男(でいいよね?)の出番も良かったですね。作品のあちこちで気を抜くことのできる存在で。墓場では初対面でしたが、親父とは知り合いっぽい感じでした。6期のねずみ男が戦争を嫌っていたのも若い頃にリアルに経験していたってのもあるのかな。
妖怪もちょい役ながら数多く登場! さがりに一つ目坊、山嵐に山颪、百足、松明丸、一声叫び、つるべ火、河童……あとあれも。5期の個体とはスケールが違いますが。
??「いろはにほへと……」
そして声優陣も豪華! どの方も「この人といえばこういう役だよね」という役を演じておられた(石田彰さんとか)ので、そういう意味でも満足度が高い作品です。
というわけで『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想でした!
鬼太郎ファンでも、鬼太郎を見たことがなくても、楽しめる一作ですので! ぜひ見てください! 来場者特典のイラストは神です!
あ、ジャンプスケア(びっくりさせる系ホラー)じゃないのでそこは安心を!
それでは~。